モーラナイフは、その使いやすさと高い切れ味でキャンパーやブッシュクラフターから絶大な支持を得ているナイフです。ですが、どんなに優れたナイフでも使いっぱなしでは性能が落ちてしまいます。
今回は、モーラナイフを長く愛用するための「手入れ方法」と「研ぎ方」の基本をわかりやすく解説します。ちょっとしたお手入れで、切れ味がグッとアップしますよ!
モーラナイフを使ったら、まずやるべき手入れ
モーラナイフを長く快適に使うためには、使用後のちょっとしたお手入れが欠かせません。ここでは基本のケア方法を紹介します。
使用後はすぐに汚れと水分を拭き取る
ナイフを使い終わったら、まずは刃に付いた汚れや水分をきちんと拭き取ることが基本です。とくに調理などで濡れたり、地面に触れたりした後は、意外と細かな汚れが付着しています。
防錆処理で長持ちさせる
乾いた布やキッチンペーパーで刃と柄をしっかり拭き、必要であれば薄く油を塗っておくと、特にカーボンスチールの錆防止に効果的です。防錆用の専用オイルでなくても、オリーブオイルやミネラルオイルなどで代用できます。
柄のケアも忘れずに
また、柄の部分も見落としがちですが、泥や水分が入り込むと劣化の原因になります。水洗い後はしっかり乾燥させるようにしましょう。
切れ味を取り戻す!モーラナイフの研ぎ方
モーラナイフを使っていて、「ちょっと引っかかるな」「食い込みが悪くなったかも」と感じたら、それは研ぎどきのサインです。しっかり研いであげれば、購入時のようなスパッとした切れ味が戻ってきます。ここでは、モーラナイフを研ぐ際の基本を順番に解説していきます。
砥石の粒度を選ぶ

まずは砥石の選定から。モーラナイフのようなキャンプ用ナイフには、#1000前後の「中砥(なかと)」が扱いやすくておすすめです。刃こぼれがなければこの粒度で十分。もし大きく欠けていたり、かなり切れ味が落ちている場合は、#400程度の荒砥を使ってから中砥に移るのも手です。
砥石はしっかり濡らして使う

砥石を乾いたまま使うと、ナイフの刃を傷めるだけでなく、砥石自体も早く消耗してしまいます。水をたっぷり含ませ、表面がしっとりしてから使い始めましょう。途中で乾いてきたら、こまめに水を足しながら作業するのがポイントです。
刃を研ぐ角度を一定に保つ

モーラナイフに多く採用されている「スカンジグラインド」は、刃の角度がフラットで、研ぎやすいのが特徴です。砥石に刃全体をピタッと当て、その角度を保ったまま前後にゆっくり滑らせます。目安としては、15〜20度くらいの角度です。慣れないうちは、数回に分けて研ぎ面をしっかり意識すると失敗しにくくなります。
優しい力で研ぐ

「しっかり研ごう」と思うあまり、力を入れてしまうと刃が不均一に削れたり、思わぬ刃こぼれの原因にもなります。ナイフの重さを活かすような気持ちで、力を抜いて軽く押し出すように研ぐのがコツです。特に仕上げに向かうにつれて、よりソフトに優しく研ぐようにすると、刃先が滑らかに仕上がります。
おすすめの砥石
私がモーラナイフの研ぎで使っているのは、アマゾンで購入した両面砥石です。価格も手頃で、ゴム製の台座がついているため研いでいる最中に砥石が滑ることもなく、安全に作業できます。
この砥石は、中砥(#1000)と仕上砥(#6000)が一体になっているタイプで、ステンレス製のナイフでもカーボンスチール製のナイフでも問題なく研ぐことができています。
切れ味を取り戻すには#1000の中砥で十分ですが、より滑らかな刃先に仕上げたい場合は仕上砥を使うのもおすすめです。ちなみに仕上砥は#4000くらいの粒度でも十分実用的なので、必ずしも#6000にこだわる必要はありません。
ハンドルの汚れはこまめに落とそう
コンパニオン ヘビーデューティーのハンドルはラバー素材で、握りやすく滑りにくいのが特徴です。ただし、油分や汚れが付くとグリップが不安定になり、ベタつきが気になることもあります。
そんなときは中性の液体洗剤で洗うのがおすすめ。固形石けんでもOKですが、溝に残りやすいので液体タイプが扱いやすいです。ブレードの手入れと一緒にできるのも便利ですね。
除菌は熱湯よりアルコールで
ハンドルは素手で触れる部分なので、衛生面も気にしたいところ。除菌には熱湯を使いたくなりますが、ラバー素材が変形する恐れがあるためNGです。アルコールスプレーや除菌シートを使うと安心です。
まとめ
ナイフにとって、日頃の手入れは欠かせません。
油をなじませたり、刃を研いだりと、少し面倒に感じることもあるかもしれませんが、道具に手間をかけて育てていく過程こそ、アウトドア好きにとっての醍醐味のひとつです。
じっくりとメンテナンスを続けることで、モーラナイフはきっと“一生モノ”の一本へと育っていくはず。そんな相棒と一緒に、これからも自然の中での時間を楽しんでいきましょう。
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