最小限の荷物で自然の中で過ごすブッシュクラフト。そのスタイルに適したナイフとして、ユニフレームのUFブッシュクラフトナイフが登場しました。
本記事では、基本スペックや耐久性、実際の使用感を徹底レビュー。薪割りやフェザースティック作りなど、ブッシュクラフトで本当に活躍できるのかを詳しく検証していきます!
UFブッシュクラフトナイフ 基本スペック

UFブッシュクラフトナイフには、日本製の刃物用ステンレス鋼「8A鋼」が使用されています。国産の刃物用ステンレス鋼には、主に6A・8A・10Aの3種類があり、数字が大きくなるほど炭素量が増え、刃が硬くなる特徴があります。
8A鋼は6Aと10Aの中間に位置する鋼材で、切れ味を保ちつつ、錆びにくくメンテナンスがしやすいのが特長です。
材質 | 刃部分 ステンレス刃物鋼(8A材) 柄部分 PP(ポリプロピレン)・エラストマーシース・ABS樹脂 |
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サイズ | 本体全長 約23㎝ 刃部分 約11㎝ シース全長 約22.5㎝ |
重量 | 本体 約150g シース約 40g |
刃の形状と特徴

刃の形状は「スカンジグラインド」と呼ばれるもので、スカンジナビア地方特有の刃先デザインです。刃こぼれしにくく、バトニング(薪割り)などのハードな作業に適していますが、柔らかい食材のカットにはあまり向いていません。
刃には「MADE IN JAPAN」の文字がプリントされており、日本製ならではの品質が感じられます。
グリップ(柄)のデザインと持ちやすさ

グリップ部分にはポリプロピレン樹脂が採用されています。この素材は軽量ながらも対衝撃性や耐熱性に優れ、焚き火周りでも安心して使用可能です。電子レンジ用のタッパーにも使われる素材であることから、その耐久性は折り紙付き。
握った感触はどっしりとしており、しっかりと力を入れやすい構造になっています。特に柄の前側には人差し指をかけやすいくぼみがあり、力を入れた作業がしやすく設計されています。
ただし、見た目の質感はやや安っぽい印象を受けるかもしれません。しかし、弾力性と適度な太さがあり、滑りにくく握りやすいため、実用性を重視したデザインといえます。
シース(ケース)の付属と携帯性

UFブッシュクラフトナイフには専用のシース(ケース)が付属しています。ナイフを収納すると「カチッ」とロックされる仕様で、作業中の落下を防ぐ安全設計です。

シースの裏面にはフックが搭載されており、ベルトなどに引っ掛けて持ち運びが可能。また、シースの上部には親指で押せる突起がついており、ナイフをスムーズに取り出すことができます。
ナイフで薪割り!?UFブッシュクラフトナイフはフルタング構造を採用!
ナイフの柄の中にあるブレード部分を「タング」と呼びます。タングの形状によってナイフの強度や用途、重心が異なり、さまざまな種類があります。その中でも、ブレードが柄の端まで貫通し、サンドイッチのように挟み込まれた構造を「フルタング」といいます。
フルタング構造は強度が非常に高く、剛健な作りが特徴です。特に、ナイフを使って薪を割るバトニングはナイフの背を叩いて薪を割るため、強度のないナイフでは破損やケガのリスクがあります。しかし、UFブッシュクラフトナイフは柄の部分にもブレードが露出しているフルタング構造のため、安心してバトニングが可能です。
バトニングに適した刃厚3.5mmのブレード

UFブッシュクラフトナイフの刃厚は3.5mmと比較的厚め。バトニング時の安心感があり、耐久性も抜群です。ただし、刃が厚い分、細かい食材のカットや繊細な調理作業にはやや不向きな点も。
とはいえ、ブッシュクラフトでは「薪割りから調理まで1本でこなす」ことが求められるため、ある程度の厚みは必要です。例えば、釣った魚をそのまま岩の上で捌くといったシーンでは、このナイフのタフさが活きてきます。

試しに、調理用ナイフとして人気のオピネルナイフ(OPINEL No.7)と比較してみました。
火おこしにも対応するエッジ加工
UFブッシュクラフトナイフの背にはエッジがあり、ファイヤースターターを使った火おこしも可能。ブッシュクラフトでは火の確保が重要なポイントになるため、これ1本で火おこしができるのは大きなメリットです。
UFブッシュクラフトナイフで薪割りしてみた!
では実際にUFブッシュクラフトナイフでバトニングをして薪割りができるのか検証してみます。
今回は、薪の中でも硬く割りにくいとされる広葉樹を用意しました。
バトニング開始!ナイフの切れ味を検証

まずは薪に刃を押し当て、ナイフの背を叩いて割っていきます。切れ味が良く、軽い力でスッと刃が入るのが印象的です。

手元が浮かないようにしっかり押さえながらバトニングを続けると…


見事にキレイに薪を割ることができました!
ただし、薪に刃が挟まった際には、無理にナイフをこねないよう注意が必要です。ナイフに負荷をかけすぎると刃にダメージが入る可能性があります。
鉈との比較とナイフの使い勝手
普段使用している鉈と比較しても、切れ味が良いため軽い力で割ることができました。
ただし、刃の長さは約11cmとコンパクトなため、太い薪を割る際には刃が薪の幅を超えず、やや扱いにくいと感じました。
とはいえ、細めの薪を割るには十分なサイズ感で、軽量コンパクトなブッシュクラフトナイフとしては高い実用性を発揮しました。
UFブッシュクラフトナイフでフェザースティックは作れる?
ブッシュクラフトではライターや着火剤を使わずに火を起こすことが基本。そのため、火付けに適したフェザースティックを作るスキルが求められます。
フェザースティックとは、木の表面を薄く削り、鳥の羽のように毛羽立たせたもの。種火を効率よくつけるために必要な技術です。
実際にフェザースティックを作ってみた!

ナイフの使い勝手や切れ味が問われる細かい作業ですが、UFブッシュクラフトナイフで試してみたところ、
- グリップに適度な弾力があり、手に負担がかからない
- フルタング構造でナイフ自体に重量があるため、扱いやすい
- 比較的スムーズにフェザースティックを作成できた
といった印象でした。
普段はモーラナイフ「Companion Heavy Duty」を使っていますが、それと比較しても、しっかりとした重量感があり、ナイフの重みを活かして作業できる点が魅力でした。
ユニフレームのUFブッシュクラフトナイフの評価は?

UFブッシュクラフトナイフを薪割り・携帯性・調理性能の観点から評価してみました。
焚き火ナイフとしての評価:★★★★★(5/5)
バトニング時の安定感や、ファイヤースターターが使用できる点を考慮すると、焚き火用途のナイフとしては満点の性能。
フルタング構造と刃厚3.5mmの強靭なブレードにより、薪割りも問題なくこなせました。
携帯性:★★★☆☆(3/5)
フルタング構造のため折りたたみは不可。コンパクトに収納できる折りたたみナイフと比べると、携帯性はやや低めです。
ただし、付属のシースはしっかりとした作りで、ベルトなどに装着できるフックがついているため持ち運びはしやすいのもポイント。
調理性能:★★☆☆☆(2/5)
刃先の形状が「スカンジグラインド」のため、薪割りやフェザースティック作成には向いている一方で、柔らかい食材のカットや細かい調理作業にはやや不向き。
ただし、スカンジグラインドは刃持ちが良く、研ぎやすいため、ナイフのメンテナンスを考えると利点も多いです。
総評:コスパ最強のフルタング
今回、UFブッシュクラフトナイフのスペックや使用感を詳しく検証しましたが、重量バランスも良く、非常に使いやすいナイフだと感じました。
特に、定価5,500円(税込)でこの品質のフルタングナイフが手に入るのは驚きです。
現在、人気商品のため店舗では品薄の状態が続いているようですので、見つけたら即ゲットがおすすめ!
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