キャンプなど大自然の中で食べるご飯って、どうしてあんなに食欲が増して無限に食べられてしまうんでしょうか?
特に、綺麗な景色を眺めながら食べる白米は絶品ですよね。
キャンプ飯でおなじみのメスティンは、キャンプ料理に欠かせない万能調理器具として、ひとつは持っておきたいアイテムです。
最近では、メスティンで作るメスティン料理もSNSなどでよく見かけるようになりました。
今回は、メスティンと固形燃料でできる簡単な炊飯方法をご紹介します。
固形燃料での自動炊飯とは?

メスティン×固形燃料なら、誰でも簡単にご飯が炊ける!
放っておけば出来上がり!メスティンで簡単 自動炊飯の仕組み
固形燃料は、火をつけるだけで自然に燃焼を始め、一定時間が経つと自動で火が消える特徴があります。
この仕組みを利用すれば、火加減やタイミングを気にすることなく、誰でも簡単にご飯を炊くことができるのが「自動炊飯」です。
自動炊飯のメリット
固形燃料の燃焼時間と、お米が炊きあがる時間がぴったり合うようになっているため、火をつけたらあとは“ほったらかし”でOK!
シングルバーナーなどで炊飯する場合と違い、火加減の調整が不要なので、
といった失敗の心配がありません。料理が苦手な方や初心者でも、安心して炊飯にチャレンジできます。
自動炊飯のデメリット
ただし、固形燃料はサイズによって燃焼時間が異なるため、炊飯に必要な時間を事前に把握して、適切なものを選ぶ必要があります。
また、バーナーと違って火力の調整ができないため、風や気温といった環境の影響を受けやすい点もデメリット。
そのため、風防などで風を防ぐ工夫をしておくと安心です。
自動炊飯を失敗しないポイント!
炊飯は、水の量や火力、加熱時間を間違えると、生煮えになったり焦げてしまう原因になります。
炊飯時の環境や固形燃料の大きさをしっかり把握して、美味しいご飯を炊きましょう!
①お米の吸水時間

自宅での炊飯と同じく、メスティンでも吸水は重要です。
吸水が不十分だと芯が残る原因になるため、しっかりと水を吸わせてふっくらしたご飯に仕上げましょう。
②炊飯量に合わせた固形燃料の量

放っておけるのが自動炊飯の魅力ですが、固形燃料のサイズによって燃焼時間が異なります。
少量の炊飯なら小さめ、多めに炊く場合は大きめの固形燃料を使うなど、炊飯量に合わせて選びましょう。
▼固形燃料の燃焼時間と火力を検証した記事も参考に!
③五徳の高さに注意!

固形燃料からクッカー底までの距離は、2~3cmほど空けるのが理想です。
ポケットストーブを使うと、ちょうどよい距離が保てて自動炊飯にぴったりです。
④風防は必須!

固形燃料は火力調整ができないため、風の影響を受けやすいです。
風で火が消えたり、熱がうまく伝わらず炊きムラが出ることも。
ウィンドスクリーンやリフレクターで風対策をしてから炊飯しましょう。
⑤外気温にも注意!
気温が低いと火力が弱まり、沸騰まで時間がかかることがあります。
焚き火の近くで調理したり、燃焼時間が長い30gの固形燃料を使うなどして対策をとりましょう。
生煮えの原因は、水の量を間違えた場合や、吹きこぼれによって水が減ってしまった場合などが考えられます。そんなときは、もう一度お酒(なければ水)を1合につき約3ccほど加え、全体をかき混ぜてから弱火で再加熱すると、改善できる可能性があります。
自動炊飯で使用する固形燃料は何g?
自動炊飯では、100均でも手に入る卓上用の固形燃料や、エスビットのタブレット型固形燃料がよく使われます。
何グラムを使用する?
固形燃料は重さによって燃焼時間が異なります。
一般的に、自動炊飯には25gの固形燃料が最も適しており、約20分間、安定した火力で燃焼します。
ただし、お米の量や外気温、風の有無などにより、炊き上がりに差が出ることがあるため注意が必要です。
詳しくは⇒固形燃料の比較記事
固形燃料の燃焼時間
重さ | 燃焼時間 |
---|---|
10g | 約15分 |
15g | 約16分 |
20g | 約19分 |
25g | 約20分 |
30g | 約22分 |
炊飯量別の固形燃料と水の目安
お米の量 | 固形燃料の量 | 水の量(目安) |
---|---|---|
0.5合(約75g) | 20g | 100ml |
1合 (約150g) | 25g | 200ml |
1.5合(約225g) | 30g | 300ml |
2合 (約300g) | 35g | 400ml |
無洗米の場合の水量(やや多めに)
お米の量 | 固形燃料の量 | 水の量(目安) |
---|---|---|
0.5合(約75g) | 20g | 110ml |
1合 (約150g) | 25g | 220ml |
1.5合(約225g) | 30g | 330ml |
2合 (約300g) | 35g | 440ml |
メスティンの自動炊飯で用意するモノは?

他にも用意しておくと便利なモノがあります。

無洗米を使う場合や、自宅であらかじめ吸水しておく場合は、ザルは必要ありませんが、現地でお米を洗う場合には、ザルがあると便利です。

キャンプの準備の際に、あらかじめ自宅でお米を洗ってジップロックなどに入れておくと、現地ですぐに炊飯の準備に取りかかれるので便利です。
コンパクトに持ち運べて、メスティンにスタッキングすることもできます。

炊飯には水の量も重要なので、メモリ付きのカップやシェラカップがあると、適切な水加減でお米を炊くことができます。

また、メスティンのフタは軽いため、炊飯中に浮き上がってしまうことがあります。
缶詰などをおもりとしてフタの上に置いておくと、しっかり密閉されて安心です。

炊飯後は、お米にしっかり水分を行き渡らせるために、タオルなどで包んで蒸らすと、さらにふっくら美味しいご飯に仕上がります。
固形燃料で自動炊飯の手順~メスティンで1合を炊飯~
- ステップ①米を洗う(洗米)
洗米の方法はいろいろありますが、今回は100均のウォーターボトルを使った方法をご紹介します。あらかじめ必要分のお米をボトルに入れておけば、現地で計量の手間もなく、すぐに使えてとても便利。
さらに、ボトルを振って洗えるので、手が汚れず簡単に洗米できるのも嬉しいポイントです。※振る際は、水の量を少なめにしておくのがコツ。
「水を入れる → 振る → 水を切る」を3〜4回ほど繰り返すと、水の濁りがなくなってきます。
濁りが少なくなればOKです。 - ステップ②吸水する
洗米後は、10〜20分ほど吸水させましょう。
時間がない場合や時短したい方は、自宅で洗米・吸水まで済ませて、お米と水をペットボトルに入れて持参するとラクです。※水の量は写真より少なめでも問題ありません。
気温が高い季節は、お米が傷んだり菌が繁殖しやすくなるため、クーラーボックスで保冷するのが安心。
水温が18℃を超えると腐敗のリスクが高まるので、心配な方は現地で洗米・吸水を行いましょう。 - ステップ③水量を調整する
ザルで水を切ったら、メスティンにお米を入れ、炊飯に必要な水量を加えます。
今回は1合炊きなので、水は200mlを使用。目盛り付きのシェラカップがあると非常に便利です。
忘れてしまった場合は、お米を平らにならした状態で、人差し指の第一関節まで水がくるくらいを目安にしましょう。おすすめのメモリ付きシェラカップ
- ステップ④着火
ポケットストーブに固形燃料25gをセットして点火します。安定した火力で炊けるように、平らな場所で調理しましょう。
また、メスティンの取っ手は蓋の上に置かず、しっかり外しておきましょう。
屋外で行う場合は風の影響を受けやすいため、ウィンドスクリーンなどの風防は必須!
風防とメスティンの距離は、気温や風の強さに応じて調整してください。
風防がない場合は、風が当たりにくい場所に移動するなど工夫を。炊飯時には重石が必要です。
重石がないと、加熱中に蓋が浮き上がってしまい、吹きこぼれが多くなって失敗の原因になることがあります。 - ステップ⑤蒸らす(約15分)
固形燃料の火が消えたら、そのまま15分ほど蒸らしを行います。
蒸らすことで、お米にしっかり水分が行き渡り、ふっくらとした炊き上がりになります。自分は保温できるメスティンケースを使っており、蒸らしもラクでとても便利です。
ケースがない場合は、タオルで包むだけでもOK!保温ケースは中がアルミ素材になっていて、蒸らし中も熱を逃しにくい構造。
さらに、メスティンの持ち運びにも便利なので一石二鳥です。 - ステップ⑥完成
メスティンは幅が狭めなので、家庭用のしゃもじだとやや使いづらいことも。
スプーンや小型のしゃもじを用意しておくと扱いやすいです。硬め・柔らかめなど、炊き上がりの好みに応じて、水の量を微調整してみてくださいね。
自動炊飯は同時調理も可能!

メスティンでご飯を炊きながら、その上で簡単な調理を同時に行うことができます。
実は、メスティンの蓋の上部もかなり高温になり、シェラカップに入れた約200mlの水が80℃ほどまで温まるほどです。

この熱を利用すれば、目玉焼きを焼いたり、缶詰やレトルトカレーを温めたりすることも可能。
ほったらかし炊飯の間におかずの準備もできるので、時短&効率アップにつながります!
メスティンの自動炊飯で気を付けること!
固形燃料は揮発するので、実際の重さが少ないことも!

固形燃料は空気に触れることで揮発し、縮んでしまうことがあります。
そうなると火力が弱まるだけでなく、想定した燃焼時間より短くなり、炊飯がうまくいかない原因に。
特に、長期間保管していた固形燃料を使う際は、見た目が縮んでいないか確認してから持参するようにしましょう。
燃焼時間はコンロや環境によって変わる

同じ重さの固形燃料でも、コンロの形状や風防の有無、五徳の高さなどによって燃焼時間が変わることがあります。
とくに屋外では風や気温の影響も受けやすいので、使うギアとの相性を事前にチェックしておくことが大切です。
メスティン炊飯は自宅でも気軽に試せるので、初めての方は一度おうちで試してみるのがおすすめです。
③ひっくり返す必要性は?

基本的にひっくり返さなくても炊飯は可能ですが、底に焦げ付きが出やすい場合があります。
焦げを防ぎたい方や、熱ムラを気にする方は、炊飯直後にメスティンをひっくり返して蒸らすのもひとつの方法です。
④レギュラーメスティンで炊飯できるのは1.8合まで

通常サイズのメスティンでは、炊飯量は0.5〜1.8合までがおすすめ。
1.8合炊くと、中身がかなりパンパンになります。
2合以上炊きたい場合は、ラージメスティンを使用し、固形燃料の量も調整しましょう。
まとめ
メスティンの自動炊飯は、環境や固形燃料の特徴など、いくつかのコツやポイントさえ押さえれば、誰でも簡単に美味しいご飯を炊くことができます。
ソロキャンプなど、少量のご飯を食べたいときにも手軽に炊けるので、非常におすすめです。
メスティン炊飯を活用すれば、炊き込みご飯やピラフなど、料理のバリエーションも広がります!
“ほったらかし”で簡単に炊けるとはいえ、火を扱う際は火傷や火事に十分注意し、安全に楽しんでください。
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