キャンプでは、大自然の中で焚き火を囲み、その火を眺めながらゆったりとした時間を過ごすのが至福のひとときです。
焚き火と同様に、ゆらめく炎の動きを楽しめるオイルランタンは、夜の雰囲気をさらに癒しの空間へと変えてくれます。

いつも焚き火だけで終わってしまう方や、キャンプの夜をもっと楽しみたい方は、ぜひLEDなどの人工的な光とは異なる、オイルランタンならではのノスタルジックな雰囲気を味わってみてください。
今回は、そんなオイルランタンの使い方や、芯の交換方法などをご紹介します。
オイルランタンの芯がすぐに減る?芯の寿命は?
LEDランプとは違い、灯油などの燃料を使うオイルランタンは、芯の定期的な交換が必要になります。
燃料を入れて火をつければ簡単に使えますが、燃料と一緒に芯も少しずつ消耗していくため、交換しながら使うことになります。
ただし、コツさえつかめば芯の交換は難しくありません。オイルランタンならではの楽しみのひとつとして、気軽に向き合っていきましょう!
芯の寿命はどれくらい?芯の替え時は?

ハリケーンランタンの芯の交換時期は、オイルに浸かる芯の部分が短くなり、タンクの底に届かなくなった頃が目安です。
学生時代に理科の実験でアルコールランプを使ったことがある方も多いと思いますが、仕組みはほぼ同じです。
オイルタンクの内部は外から見えづらいため、普段の使用では芯の状態に気づきにくいかもしれません。
しかし、使っていくうちに火がつきにくくなったり、火力が弱くなってきた場合は、芯の交換サインと考えてください。

前もって芯の状態を確認する方法としては、バーナー部分を取り外し、ランタンの横に並べて芯の長さをチェックするのが効果的です。
また、オイルが十分入っているのに芯に燃料が染み込んでいない場合は、芯が短くなってタンクの底に届いていない可能性が高いです。
芯がすぐに減る原因は?

バーナー部分から出ている芯を出しすぎてしまうと、芯が焦げやすくなり、減りが早くなってしまいます。
経験上、芯はバーナーからわずかに引っ込んでいるくらいが最適な長さです。

着火時の芯の出し具合は、写真のように1~2mm程度で十分です。
芯を長く出しすぎると、一瞬でホヤが真っ黒になってしまううえ、芯そのものも必要以上に燃えてしまいます。

芯がしっかりとオイルを吸い込んでいれば、出ている部分が短くてもきちんと燃えるので、無理に長く出す必要はありません。
また、芯の長さによって炎の大きさも変わるため、炎が大きくなりすぎないように、芯の出し具合はこまめに調整しましょう。
オイルランタンの芯の種類

オイルランタンで使われる平芯には、いくつかの横幅の種類があります。主に使用されているのは以下のサイズです。
- 12mm(4分芯)
- 15mm(5分芯)
- 21mm(7分芯)
お使いのランタンに12mmの芯が使われている場合、15mmや21mmの芯を購入してもサイズが合わず、使えない可能性があります。
芯を購入する際は、必ずお手持ちのオイルランタンに適合するサイズを確認してから選びましょう。
オイルランタンの芯の素材

オイルランタンの芯の素材は主にコットン(綿)が使われています。
半永久的に使えるグラスファイバー(ガラス繊維)などを使用している芯も売られていますが、オイルランタンではなくオイルランプで使用されることが多いので間違えないように注意してください。
芯の形によって丸芯と平芯といった違いがあります。
オイルランタンでは主に平芯を使用することが大半です。
ハサミやカッターナイフなどで簡単にカットすることができるので使いたい長さを調整することができます。
芯のサイズは?交換時に重要なのは芯の幅

オイルランタンの種類によって、使用する芯の幅(太さ)が異なります。

例えば、
- 赤いラインの入った芯は「フュアーハンドランタン」で使用される4分芯(12mm)
- 黒いラインの入った芯は「デイツ20」で使用される5分芯(15mm)
といった違いがあります。

バーナー部分の芯を差し込むスリットの幅に合わない芯を使うと、幅が広すぎれば入らず、狭すぎればうまく燃焼しないため、芯幅の確認は非常に重要です。
必ず、お使いのランタンに合った芯幅のものを選びましょう!
各ハリケーンランタンの芯の幅
3分芯 | キャプテンスタッグ (小) |
---|---|
4分芯 | フュアーハンドランタン ベイビースペシャル276 デイツ78 デイツ76 キャプテンスタッグ(中)(大) カメヤマランタン |
5分芯 | デイツ20 デイツ90 |
5分芯 | デイツ2500 デイツ80 |
なお、キャプテンスタッグやカメヤマランタンなど一部のメーカーでは、替え芯のサイズ表記が「分芯」ではなく「mm(ミリメートル)」で記載されています。
購入時は、お使いのランタンの芯の幅と表記単位をしっかり確認しておきましょう。
- キャプテンスタッグ(小)・・・ 8mm
- キャプテンスタッグ(中)(大)・・・ 10mm
- カメヤマランタン ・・・ 11mm
ハリケーンランタンの芯のトラブル
ハリケーンランタンは、「台風(ハリケーン)が来ても灯りが消えない」ことから名付けられました。
電気を使わないエコなオイルランタンですが、芯の扱いに最初は戸惑う方も多いかもしれません。
起こりやすいトラブルを事前に知っておくことで、より安全に、そして快適にオイルランタンを楽しむことができます。
正しい使い方を覚えて、安心してランタンのある夜時間を過ごしましょう!
タンク内に芯が落ちた
芯の取り付けの際に、「あれ?芯が出てこない?」と触っているうちに、スルスル〜っと芯がオイルタンクの中に落ちてしまい、取り出せなくなることがあります。

芯がオイルタンクの中に落ちてしまうと、指先ではなかなか取り出すことができません。
そんな時は、100均などで販売されているピンセットを使うと便利です。
また、燃料を使用するアイテムですので、オイルがこぼれないように、取り扱いには十分注意しましょう。
火が着かない!すぐ消える?

写真のように芯が短すぎると、オイルがうまく染み込まず着火しにくくなります。
オイルタンクの中で芯がしっかりオイルに浸るよう、十分な長さを保つことが大切です。
使用中に芯が短くなってきた場合は、交換のサイン。
無理に使い続けず、新しい芯に交換しましょう。

また、芯の先が焦げすぎていると、うまく着火しない原因になることがあります。
その場合は、ハサミやナイフで焦げた部分をカットして整えてあげましょう。

芯を取り出し、焦げた部分をカットしましょう。
芯は綿素材でできているため、ハサミなどで簡単に切ることができます。
芯が焦げる

芯は燃焼することで多少焦げてきますが、芯を出しすぎると焦げやすくなる原因になります。
炎の大きさを見ながら、火加減に応じて芯の長さをこまめに調整しましょう。

炎の高さは1.5~2cm程度を目安に、火力調整ハンドルで調整しましょう。
火力が強すぎると、煤(すす)が出たり、焦げたにおいが衣類に付いたりする原因になります。
快適に使うためにも、炎の高さや火力の強さには十分注意しましょう。
煤が出る
バーナー部分から芯先が出すぎていると、芯が燃えて炭化し、煤(すす)が出る原因になります。
ホヤが真っ黒になってしまうこともあるため、芯先の出しすぎには注意しましょう!
炎の形が悪い

使用しているうちに、炎の形が偏ってしまい、見た目が悪くなることがあります。

この場合も、芯を一度取り出して焦げた部分をカットし、芯先を整えることで、炎の形がきれいになります。
芯の先端がまっすぐになっていると、炎も均等に広がり、美しい灯りを楽しむことができます。
ハリケーンランタンの芯の交換方法
ハリケーンランタン(オイルランタン)の芯交換は、フュアハンド ベイビースペシャル276やデイツ78といった異なるメーカーの製品でも、構造がほぼ同じなため、交換手順に大きな違いはありません。
今回は、フュアハンド ベイビースペシャル276を使って芯の交換方法をご紹介します。

新しい芯と、芯をカットするためのハサミ、そして燃料が付いた芯を置くためのキッチンペーパーを用意しましょう。

新しい芯が長すぎる場合は、およそ15cm程度を目安にカットして使いましょう。
今回使用している芯
芯の交換の手順
①トップリングを持ち上げてホヤのロックを外します。

ハンドルを上げてトップリングを持ち上げます。

ロックが外れてホヤが外れます。

心配な場合はホヤが転げて割れてしまわないように外しておいた方が安心です。
②火力調節レバーを時計方向に回して外します。

ツメが外れたのを確認して持ち上げます。

古い芯は油を浸みている場合があるので用意したキッチンペーパーの上に置きましょう。
③短くなった芯を外します。

芯をバーナーから外します。

時計と反対方向に回すと芯が外れます。
④芯をバーナーにセットする

新しい芯をバーナーにセットします。

バーナーの下から、カットした芯を差し込みつまみを右に回すと、芯がバーナーに噛み合って固定され、芯の先端が上部から出てきます。

芯の先端の角をカットします。

角を少しだけ整えると炎がきれいになります。
⑤バーナーをセットする

芯をタンクの中にいれてバーナーをセットします。

ツメがきちんとかかっているのを確認してください。
⑥ホヤを元に戻す

ホヤを元の位置に戻します。取り付け時と同様に、トップリングを持ち上げながらホヤをセットし、ロックがしっかりかかるように戻しましょう。
⑦芯の交換完成

以上で、芯の交換作業は完了です。
使用前には、芯にしっかりオイルを染み込ませてから点火するようにしましょう!
ホヤガラスの掃除

芯の交換ではホヤガラスを外す工程があるため、そのタイミングで同じ手順を使ってホヤガラスの掃除も行うことができます。
煤で黒くなったホヤをきれいにすれば、ランタンの明かりもより美しく見えるようになりますよ。

ホヤガラスの内側には煤(すす)がつきやすくなっています。
軽い汚れであれば、キッチンペーパーなどで拭き取るだけでもきれいになります。
汚れがひどい場合は、水洗いをしてしっかり落としましょう。乾いた後に再び取り付ければ、クリアな明かりが楽しめます。
ハリケーンランタンにおすすめの替え芯7選

オイルランタンの芯は、Amazonなどの通販サイトで比較的安価に手に入れることができます。
フュアハンドやキャプテンスタッグなどからは純正の替え芯も販売されていますが、特にこだわりがなければ、安価な汎用品でも十分に使用可能です。
コスパ重視の方には、お得なセット商品や長さを自由にカットできるロールタイプの芯がおすすめです。
安くてお得な替え芯
Hikenture オイルランプ 替え芯 Hikenture® ブロンズランタン用
エビス販売 オイルランプ用替え芯 4.5M ランタンパーツ
各ランタンの純正品
フュアハンド (FEUERHAND) ウィック 12606 2本セット
平芯が2本セットになった、フュアハンド純正の替え芯です。
1本ずつ個包装されているため持ち運びにも安心で、キャンプなどの外出先でも清潔に扱えます。
あらかじめ約12cmにカットされているので、届いたそのままの状態ですぐに交換・使用可能です。
フュアハンド FEUERHAND ウィック 12606
こちらは個包装された1本入りのフュアハンド純正替え芯です。
1本のみの販売なのでやや割高ではありますが、あらかじめカットされているため、緊急時にもすぐ取り付け可能。
いざという時のために、予備として1本持っておくと安心です。
キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) ランタン オイルランタン 替え芯 小
キャプテンスタッグのオイルランタンには、小・中・大の3サイズがあります。
それぞれに対応する芯のサイズも異なるため、小サイズのランタンに中・大サイズ用の芯は使用できません。
購入の際は、お手持ちのランタンのサイズを確認し、対応する芯を選ぶようにしましょう。
キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) ランタン オイルランタン 替え芯 中・大
こちらは、キャプテンスタッグのオイルランタン「中サイズ」と「大サイズ」に対応した専用の替え芯です。
両サイズで同じ芯が兼用できる仕様になっているため、どちらかのサイズをお持ちの方におすすめです。
芯の交換がスムーズに行えるよう、あらかじめカットされた状態で販売されているのも嬉しいポイントです。
カメヤマ(Kameyama) ランタン ライト オイルランタン用替芯 3本セット
カメヤマのオイルランタン専用の替え芯が3本セットになったお得な商品です。
すべて12cmの長さにカット済みなので、届いてすぐに交換が可能。
予備としてストックしておけば、芯の付け替えが必要になったときも安心です。
セリアのオイルランタン用の芯は使える?

セリアにも替え芯がありましたので使ってみました。

サイズは180cm×1.3cmでフュアハンドやデイツ78などでは使えるサイズです。

Amazonで購入した芯とフュアーハンド純正品と比べてみるとほとんど違いは判りませんが、セリアの替え芯はやや硬く、薄く感じます。

実際にフュアーハンドにセットしてみたところ、問題なく使えました。
他の芯と比べて100円(110円)とかなり安いため、コスパは非常に良いのではないかと思います。
セリアで見かけたら、ぜひ試してみてください!
まとめ
オイルランタンは電気を使わないため、悪天候の中でも炎の灯りを楽しむことができます。
LEDランプと比べると明るさは控えめですが、大自然との相性は抜群です。
緩やかに揺れる炎は、キャンプサイトの雰囲気を一気に引き上げてくれる存在。
ぜひ一度、オイルランタンの灯りを体験してみてください。
芯の付け替えなどの手間すら忘れてしまうような、ロマンチックな夜が待っていますよ。
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