100均などでもメスティンが販売されるようになり、メスティンでの調理が大きな注目を集めています。
今回は、そんなメスティンを使った燻製レシピをご紹介します!
メスティンで燻製ができる?
燻製には専用の燻製器もありますが、実は普通の鍋やクッカーでも作ることができます。
道具をあまり選ばない調理法ともいわれており、段ボールを使った「段ボール燻製」という方法もあるほどです。
そのため、小さなお弁当箱のようなメスティンでも、少量であれば燻製を作ることができます。
ただし、メスティンで燻製を行うにはいくつかのデメリットもあるので注意が必要です。
メスティン燻製には何が必要?

アルミホイルは、メスティン内部の汚れを防ぐために使用します。
アミは食材を乗せるのに必要なアイテムで、レギュラーサイズのメスティンにぴったり合うものがAmazonなどで販売されています。
スモークチップはアウトドアショップなどで販売されていますが、ダイソーなどの100均でも手軽に手に入ります。
「100均のスモークチップって大丈夫かな?」と少し不安に思っていましたが、実際に使ってみると、しっかりと香りが立ち、かなり美味しい燻製を作ることができました。
コスパも良く、初めての燻製にもおすすめです。
スモークチップの種類

スモークチップにはいろいろな種類があります。
- サクラ:スタンダードなチップで初心者向き。
- ナラ:色のつきが濃くなる。燻製の見た目がよくなる。
- リンゴ:あまい香りがする。魚などにマッチする。
- ホワイト:オークウィスキー樽の原料。スモークサーモンなどにマッチする。
今回用意したのはサクラのチップです。とりあえずこれを選んでおけば、まず失敗はないようです。
他にもさまざまな種類がありますが、初めてならシンプルにサクラチップで試してみるのが一番おすすめです。
チップは意外と多くは使わないため、小袋をひとつ買えば十分足ります。
ダイソーのチップは1袋50g入りですが、これだけでも5〜8回ほど燻製が楽しめる量があります。
メスティン燻製の下準備、汚れないようにアルミホイルを敷く
まずは下準備として、メスティンの汚れを防ぐためにアルミホイルを敷きます。

試しにアルミホイルなしでもやってみましたが、ギトギトになって洗うのが大変でした。
しかし、アルミホイルを敷いておけば、ほとんど汚れず後片付けもラクです。
次にチップを敷きます

置き場所を変えて何度かテストしてみましたが、チップは少しだけ真ん中に寄せる形が良いようです。
端のほうに寄りすぎると、うまく煙が出にくくなるようでした。
ちなみに写真では、やや贅沢にチップを入れすぎたかもしれません。
実際には、この半分ほどの量でも十分に燻製が成功しました。
このあと、チップの上にさらにアルミホイルを敷くことで、食材から垂れる油からチップを守ることができます。
燻製開始

バーナーは基本的に何でも使えますが、火力調整ができない固形燃料ではうまくいきませんでした。
初めて燻製をする場合は、シングルバーナーや家庭用ガスコンロ、カセットコンロを使うのがおすすめです。
場所についてですが、燻製は思った以上に強いにおいが出るため、可能であれば屋外での使用をおすすめします。
家のガスコンロの下で換気扇を全開にして行う方法もありますが、それでも多少のにおいが室内に残る可能性があります。
燻製時間は10分くらいでOK

燻製の手順まとめ(メスティン使用)
- 加熱スタート
火にかけた直後はフタを開けたまま様子を見ます。チップから煙が出てきたら弱火にし、フタをそっとのせます(※アルミホイルが噛んで閉まりにくいこともあります)。 - 燻製時間の目安
加熱は10分ほどが無難。時間をかけすぎると食材がシナシナになったり、クセが強く出てしまいます。 - チップは使い回さない
一度使ったチップは香りが弱くなり、失敗の原因に。毎回新しいチップを使うのがおすすめです。 - 仕上げ
火を止めたらフタを開けずに数分待つと、香りがなじみ、色付きも良くなります。 - 食べ方のポイント
1日置くとさらに美味しくなると言われていますが、熱々のうちに食べても充分美味しいです。
メスティン燻製にあう食材は?
メスティン燻製で、いろいろな食材を試してみました。
恥ずかしながら失敗してしまった例もあるので、ぜひ参考にしてみてください!
ウインナーと味たまの燻製

定番のウインナーと味玉に挑戦してみました。
何度か改良を重ねながら試した結果、ウインナーは長時間燻製するとパサパサになってしまい、美味しさが落ちることが分かりました。
弱火で10分ほどがちょうど良く、しっとりと美味しく仕上がります。


何度か試しましたが、卵は香りが染み込みやすく、失敗しにくい印象でした。
とても簡単に作れて美味しいので、燻製初心者にもおすすめです。
味玉を自分で作るのが面倒な場合は、コンビニで販売されているパック入りの味付け卵を使うのも手軽で便利です。
チーズの燻製

次はチーズに挑戦してみました。
使ったのは、切れているタイプのチーズと定番の6Pチーズです。
チーズは溶けて垂れてしまいやすく、失敗例もよく見かけます。
他の食材よりも、弱火&短時間でのスモークがポイントかもしれません。
また、底にアルミホイルを敷いておかないと、チーズがチップのところまで垂れてしまうので注意が必要です。
今回は卵と一緒に、火加減に気をつけながら弱火でスモークしました。

少し色は薄めでしたが、見た目はしっかり燻製らしく仕上がりました。
チーズが少し溶けてくっついてしまい、切れているチーズが“切れていないチーズ”になっていました(笑)
ひと口食べてみると、燻製の香りがしっかり染み込んでいて、
「安いチーズがここまで変わるのか!」とちょっと驚くほどの美味しさでした。
ナッツの燻製

ナッツは割高なので、ネットで800g〜1kg入りの大容量パックをまとめて購入しています。
アルミホイルで作った簡易皿の上にナッツを数個セットして、スモークを開始。
しかし火力が強く、時間も長すぎたせいか、ただの苦いナッツになってしまいました。
香りはしっかりついたものの、苦味が強くてあまり美味しくなく、今回は完全に失敗です。
やはり、ナッツは弱火&短時間でスモークするのが無難なようです。
ベーコンの燻製

燻製といえば、やっぱりベーコンは外せませんよね。
今回は冷凍庫から取り出したベーコンに、塩・コショウ・マジックソルトをまぶして、常温に戻してから燻製に挑戦しました。
使用したのは灯油ストーブ。屋外でのチャレンジです。
プレヒート(予熱)には、大量にストックしてある固形燃料を活用しました。

風の影響で少し安定しませんでしたが、無事に完成。

コツを掴んできたのか、今回はしっかりと色が付き、かなり美味しく仕上がりました。
安いベーコンとは思えないほど、味に深みが出て、まるで2ランクほどグレードアップしたように感じます。
ただし注意点として、ベーコンは油が多いため、下に垂れた油でチップが鎮火してしまうことがあります。
これを防ぐためには、以下のような対策が有効でした。
- ベーコンの下にアルミホイルを敷く
- チップの上にアルミホイルを被せる
- ベーコンをタープの端(隅)に寄せて配置し、油が落ちにくい位置にする
この3つのうち、どれか1つでも実施すれば、チップの保護に効果があることが分かりました。
サーモンとホタテ(大失敗)

実は、一番最初に挑戦したのがスモークサーモンでした。
あまり下調べをせずにやってしまった結果、見事に大失敗…。

まず、買ってきたサーモンと、ついでにホタテもメスティンに詰め込みました。(※この時点ですでにミスです)
このときは固形燃料を使ってトライ。
しかし、25gの固形燃料だと20分以上燃えてしまい、時間が長すぎると感じました。
そこで、固形燃料を半分にカットして点火してみたところ、7〜8分ほどで燃え尽きました。

しかし、固形燃料を半分にした7〜8分では、ほとんど火が通っていないように見えました。
そこで、もう半分を追加して再度加熱してみることに。
今度は約15分ほど燃えましたが、割って使ったせいか燃焼時間にややバラつきがあるようです。

肝心のサーモンはというと、生焼けの鮭といった感じで、まったく燻製にはなりませんでした。
そこで、さらに固形燃料をもう1個まるごと追加し、20分ほど様子を見ることに。
……しかし、結果は大失敗。
ただの“焼けた鮭”になってしまいました。

実はこのやり方、そもそもの手順自体が間違っていました。
ここで初めて調べてみたところ、食材に水分が残っていると、うまく燻製にならないことが分かりました。
そこで、方法を見直して改良することに。
今度は、サーモンに塩を振ってから冷蔵庫で一晩寝かせて、余分な水分を抜く作戦に。
翌日、キッチンペーパーでしっかりと水気を押し出し、再び燻製にチャレンジしました。
途中で地面にひっくり返すというアクシデントはあったものの(笑)、今回はかなり良い色が付きました。
少しずつコツが掴めてきた気がします。

味は美味しかったのですが、スモークサーモンというよりは、まったく別の料理になってしまいました。
やはりサーモンは、素人のズボラ燻製ではなかなか難しい食材のようです。

ちなみに、当初は風防を持っていなかったため、アルミホイルで簡易風防を作って風を防いでいました。
後日、ちゃんとした風防を購入。レギュラーサイズのメスティンにもスタッキングできるサイズで、とても便利です。
最後にベーコン、チーズ、ナッツまとめて燻製(大成功)


何度か練習するうちに、素人の燻製でもとても美味しく作れるようになりました。
素材もチップも安価なものしか使っていませんが、ここまで味が引き立つとは思いませんでした。
ポイントはシンプルで、
煙が出るまで加熱 → 煙が出たらフタをして弱火 → 約10分待つ。
この流れを守るだけで、失敗しにくくなります。
メスティンで燻製をすると変形するかも

まず、メスティンは厚さわずか0.8mmのアルミ製で、非常に薄く作られています。
そのため、**火力が強すぎたり、燻製時間が長すぎたりすると、歪みや変形の原因になることがあります。
実際に私のメスティンも、強火&長時間の燻製を繰り返した結果、全体的に強度が落ちてしまったようです。
アルミが柔らかくなり、指でつまむと簡単に変形してしまう状態に。
逆方向に押すと元には戻るのですが、ちょっと気になるレベルです。
メスティンでも燻製はできますが、変形が気になる方や繰り返し使いたい方は、他のクッカーや専用の燻製器を使う方が安心かもしれません。
メスティン燻製のまとめ
- 燻製時間は10分程度でOK
- 火力は弱火でOK。強火はNG
- チップは「サクラ」がおすすめ
- チップは毎回新しいものに交換。ケチると失敗のもと
- 簡単で美味しくできるのは → ベーコン・チーズ・ウインナー・卵
- 燻製のにおいは強めなので、換気はしっかりと!
- メスティンは変形する可能性あり。他のクッカーや燻製器も検討を
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