近年のキャンプブームにより、各メーカーから次々と魅力的なキャンプギアが登場し、ギア選びの楽しさも増しています。そんな中で、確かな品質と手に取りやすい価格で人気を集めるのがユニフレーム。その中でも、こだわりのモノづくりが光る「燕三条シリーズ」に、新たに加わったのが 「燕三条乃斧」 です。
シンプルながら機能性に優れ、薪割りに必要な性能をしっかり備えたこの斧は、初心者からベテランキャンパーまで幅広く支持されています。そこで今回は、燕三条乃斧の 特徴や実際の使用感 を徹底レビュー!広葉樹の薪割りはできるのか?使い勝手はどうなのか?気になるポイントを詳しく解説していきます。
使い方や使い勝手は?燕三条乃斧で実際に薪を割ってみた!

ハンドツールを選ぶうえで最も重要なのは、やはり 使い勝手 です。
デザインや見た目も大切ですが、実際の使い心地が悪ければ、いずれ出番が減ってしまうもの。特に 斧のようなシンプルなツールこそ、強度やバランス、手へのフィット感が重要 になります。
そこで今回は、実際に 燕三条乃斧を使って薪割りを実践!
どんな薪に向いているのか?どのように使うと効率よく割れるのか?実際の使用感とともに、その 性能や最適な使い方 を詳しく検証していきます。
基本の使い方

まずは、斧の刃を傷めないように薪や丸太を下に敷きます。 これがあることで、地面に直接斧を打ちつけるリスクを避けられ、刃のダメージを軽減できます。

準備ができたら、薪に刃を押し当て、そのまま薪と斧を一緒に持ち上げます。

綺麗に薪を割ることができました。
本体はコンパクトながらも、扇状に広がった刃の形状のおかげか、安定感があります。
そして、実際に使ってみて 最も驚いたのが軽さと握り心地の良さ でした。
普段はもう少し大きめの斧を使い、ある程度割ってから鉈で細かくすることが多いのですが、何本か割ると手が疲れてしまい、木製の柄をしっかり握れなくなることもしばしば…。
しかし、燕三条乃斧の柄は 「エチレンプロピレンジエンゴム」 という軽量素材で作られており、刃を含めてもわずか450g。 これは斧の中ではかなりの軽量クラスです。
さらに、グリップの形状が 手になじみやすく滑りにくい ため、何本か薪を割っても手が疲れにくいのが印象的でした。
ナイフでのバトニングと比べても 軽い力で割れるため、力の弱い方や女性でも扱いやすそう です。
薪折り機能付き
燕三条乃斧の背を見ると、まるでタケノコのようにギザギザとした形状 になっています。一見するとデザインのようにも見えますが、取扱説明書を確認すると、ここに薪を挟んで折ることができるとのこと!
スティックスナッパーのような小枝を折るツールは見かけますが、斧に薪折り機能が付いているのは初めて です。
さっそく、先ほど割った細い薪を挟んで、実際にこの機能を試してみます!

このギザギザの部分を支点にして、テコの原理を活用することで、軽い力で薪を折ることができます。

さらに、内側がギザギザになっているおかげで 薪がズレにくく、しっかりと支点を固定できるため、力が入れやすい のも特徴です。
ソロキャンプや小型の焚火台を使うシチュエーションでは、この機能が大いに活躍しそうです。 細い薪を簡単に折れるため、焚きつけ用の薪を準備する際にも便利ですね。
また、形状を活かせば サイズが合えばボルト回し、ペグ抜き、さらには栓抜きとしても使えそう です。意外と応用範囲が広い道具かもしれません!
広葉樹も割れる!?斧としての実用性を試してみた
キャンプで焚き火をする際、薪には 「針葉樹」と「広葉樹」 の2種類があります。
針葉樹は着火が早いものの燃焼が速く、広葉樹は火がつきにくいものの長時間燃えてくれるため、どちらも持っていくことが多いですよね。
薪割りの経験がある方ならご存知かもしれませんが、針葉樹は比較的簡単に割れる一方、広葉樹は硬く、ナイフでは太刀打ちできないこともあります。
今回レビューしている 燕三条乃斧は「ハンドアックス(手斧)」と呼ばれるコンパクトなサイズ。 果たして、広葉樹の薪も割ることができるのか?
実際に試してみました!

初めは割れませんでしたが、バトニングするとスムーズに割る事が出来ました。

やはりグリップ部分が優秀で力が入りやすいです。
このサイズの薪を割る事が出来れば十分な実用性がありそうです。
ユニフレームのブッシュクラフトナイフも所持していますが、燕三条乃斧の方が細く指にフィットする形状になっています。
繰り返しの使用に耐えられる?耐久性をチェック!
冬場のキャンプでは薪の消費が激しく、1日に何十本も薪を割ることも珍しくありません。 そんな中で、燕三条乃斧はコンパクトで軽量な設計ですが、長時間使い続けたときに変形や摩耗が起きないか? という点が気になります。
使い勝手は抜群ですが、軽量なだけに耐久性がどこまであるのか不安な部分も。
そこで、刃厚や素材をチェックし、普段使っている鉈と比較してみることにしました!

刃厚はやはり鉈が勝るものの燕三条の斧もなかなかの厚みがあります。

測定してみると、刃厚はちょうど5mm。
バトニングでよく使われるモーラナイフの刃厚が 2.5mm~3mm程度 であることを考えると、バトニング用の斧としての強度は十分 ありそうです。
また、刃の素材には「S50C」というJIS規格で定められた鋼材を採用。 これは頑丈なフルタング構造となっており、耐久性にも期待できます。
ちなみに、「S50C」の「C」は炭素(Carbon)を意味し、「50」は炭素の含有量を示しています。
もちろん、大型の斧のように 極太の薪を割るのは難しい ですが、携帯性と使い勝手を考えれば絶妙なサイズ感。 斧としての耐久性も十分に備えていると感じました。
もうナイフはいらない?燕三条乃斧でフェザースティックは作れるのか?
キャンプでは、斧・鉈・ナイフなど、さまざまな刃物を持って行くことが多く、それだけで荷物がかさばり、重量も増してしまいます。
しかし、この 燕三条乃斧の軽量さと切れ味 を考えると…
もしかしてナイフの代わりにフェザースティック作りもできるのでは!?
「ナイフいらずのキャンプ」への期待を胸に、実際に燕三条乃斧でフェザースティック作りに挑戦してみました!

なかなか思い通りの厚みで削ることができません…。
最終的にはなんとか形になりましたが、やはり ナイフに比べると難易度が高め です。
技術的な要素もあるかもしれませんが、ナイフに比べて手と刃先の距離が遠いため、刃先の感覚が掴みにくく、慣れが必要 だと感じました。
とはいえ、もし 斧でフェザースティックが作れるようになれば、キャンプで必要なのは調理用ナイフのみ! となるかもしれません。荷物を減らすためにも、これは 練習あるのみ ですね!
他の斧やナイフとの比較
キャンパーに人気のハスクバーナ「38cm手斧」と、モーラナイフのフラッグシップモデル「ガーバーグ マルチマウント」と比較してみました。
全長や重量は、モーラナイフとハスクバーナのちょうど中間ほどですが、刃の長さに関しては、扇形の形状も影響してか、一番長くなっています。
本体はコンパクトながらも、刃が長いため、比較的大きな薪も割ることが可能。 斧のパワーとナイフの扱いやすさを兼ね備えた、絶妙なバランスのツールといえます。
ナイフと斧の中間的な存在として、さまざまな活用法が期待できそうです。
刃こぼれする?日常から行えるメンテナンス

錆対策について
燕三条乃斧には、購入時に錆止めのクリアラッカーが吹き付けられています。 これは店頭に並んでいる間の錆防止のためのもので、使用していくうちに徐々に剥がれていきます。
そのため、使用後は錆止め油を塗るなどのメンテナンスが必要です。 ただし、油を塗ると手がベタつくため、手軽に使える錆止めスプレーや「CURE 5-56」などでも代用可能 です。
刃こぼれしたときの対処法
薪に刃が刺さった状態で無理にこじったり、誤って地面にぶつけたりすると、当然ながら刃こぼれの原因になります。
また、適切に使っていても木の節に当たった際などに刃こぼれが起こることも。
一度刃こぼれしてしまった場合、基本的には研ぐしかありません。 しかし、斧のような曲線の刃を砥石で研ぐのは案外難しく、特に燕三条乃斧のような形状のものは慣れが必要です。
まずは不要な包丁などで練習するのもアリですし、ユニフレームから発売されている「ダイヤモンドシャープナー」を使うのもおすすめです。
燕三条乃斧をカスタムしてみた!

そのままでも十分使えるツールですが、グリップ部分の見た目がややシンプルで安っぽく感じたのと、黒色のため汚れが目立ちやすい という点が少し気になりました。
そこで、グリップ部分に「カモフラージュテープ」を巻いてカスタム!
このカモフラージュテープは、モデルガンなどにも使われる 布製の非粘着タイプ で、何度も巻き直したり剥がしたりできるのが特徴。色々なアイテムに巻きつけられるので、斧だけでなく他のギアにも応用できます。
さらに、定番のパラコード(紐)も取り付け、より実用的なカスタムに!
ユニフレームのナイフにも巻きつけて見ました

試しに、ユニフレームのナイフにもカモフラージュテープを巻いてみました。 グリップのフィット感が増し、見た目にもワイルドな雰囲気に仕上がりました!
まとめ:燕三条乃斧はコンパクトながら実用性抜群の手斧!
燕三条乃斧を実際に使用してみて、コンパクトながら薪割りや薪折りなど、多用途に活躍する優れたツール だと感じました。
- 軽量&扱いやすい → 長時間の使用でも手が疲れにくい
- 刃厚5mm&S50C鋼材のフルタング構造 → 耐久性もしっかり
- 独自の薪折り機能付き → 細い薪をラクに折れる
- フェザースティック作りも可能(要練習) → ナイフ代わりの使い方もアリ
ただし、ナイフと比べると細かい作業には不向きなため、フェザースティック作りなどには慣れが必要。 また、使用後の錆対策や刃こぼれのメンテナンスは必須 です。
軽量で持ち運びしやすく、キャンプの薪割りや細かい作業にも対応できる燕三条乃斧。ナイフと斧の中間的なツール として、ソロキャンプや軽量装備派にもおすすめできる一品です!
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